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前回の続き)
さて信号待ち中に怪音を発して止ってしまった RD50,一体如何なる事態が出来したのでありましょうや.
いや慌てるべからず.ちょうど交差点の斜向いにガソリンスタンドがございました.二段階右折を装って素知らぬ顔で給油し,落着いて診てみましょう.
まずもって音振から瞭然だが焼付きなどではない.キャブレタ周りの燃料系でもないことは長い経験から解る.ではプラグ火花はと見ますと,ヤレヤレまたもや弱ぅございます.しかし先刻の C.D.I.交換前とは違い,途切れ途切れではなく,スパークは規則的に飛んでいるもののアイドリングを維持出来るほどには強くない様子.ということは取り敢えずは押し掛けをすれば掛るかも知れぬぞソレッ……よし掛りました.
しかし掛ったは良いが,先程と打って変わってパワーは無いしミスファイアも多く回転も上がらぬ.これは無理に走らせてはならぬ…とワタシのゴーストが囁くので,押して帰ることに.
いやそれにしても今日もイイ天気,と言うか激しく炎天.こうして動かなくなったバイクをトコトコ押して陽炎揺らめく真夏の街道を歩いたことが,遠い昔から数えて幾度あったことか…と永劫回帰のデジャヴュを感じつつ,軽く細い車体を眺め降ろしながら思い出したが,以前,毛玉明と喋っておるとき「
RD50を擬人化したらどんな娘か」という話になりまして,ハタチ前後の若者とそういう話題を交す初老のワタシってのもどうかとは思いますが,差詰め「
幼馴染ツンデレお嬢」であろうと.
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