2008年07月13日

YAMAHA RD50 (中編その1)

(前回の続き)

さて現地に着いて検分した RD50は…

RD50 錆びたフロントフォークははぁ.
何とも言えずマッタリと…

RD50 リア味わい深い佇い…

しかしながら機関状態は悪くない.エンヂンも燃料を入れて数回キックしただけでアッサリ掛りました.但し異臭のする白煙が濛々と出ましたので急いで停止.クランクオイルシールが逝っておる様子はないので,多分エアクリーナスポンジが腐っておるのであろう.
他に洗い出した項目はと申しますれば…

【整備要目】

【×】 F. R. タイヤ,チューブ: DUNLOP F18 / K698 (ドリーム50などに使うもの) に交換
【 C/L 】 F. R. ブレーキ:洗浄.ハブベアリングにウレアグリス給脂 (後述1. )
【×】 F マスタシリンダ:腐り固着,交換 (後述2. )
【 C/L 】 チェン:状態 O. K. 点検清掃給脂
【 T 】 スイングアームピヴォット:シム追加の上,リチウムグリス給脂と増締め. (後述3. )
【×】 エアクリーナスポンジ:交換 (後述4. )
【×】 プラグ (B7HS) :交換 (後述5. )
【 C 】 ヘッドを開けて燃焼室状態を点検.カーボン清掃
【 L 】 エンジンオイル: 補給 (後述6. )
【×】 ミッションオイル:交換 (後述7. )
【 C/L 】 ケーブル類:パーツクリーナで洗浄後 (重要) に給脂
【 C 】 各錆部を簡単に酸性錆取り剤で処理,塗面を軽く磨き出し
【 A 】 バッテリ (6N4A-4D) :充電して復活
【×】 割れていたウインカー: Assey. 交換
【C'K.】 灯火類,点灯を確認
(補足説明はアンカ先を参照)

…とまぁ,作業自体は「神の手」と雖も格別に変わったことをするわけではございませぬ.他にも前フォークや後ダンパとかマフラの芯焼き,EX ポート密閉性向上とか点火時期の最適化など,手を入れたいところは色々あれど,そこまでやっては時間が幾らあっても足らぬ上に毛玉明を甘やかし過ぎである.

そうこうしながら大方の作業を終え,「ひとまず近所を一回りしてみるか,その前にエンヂンを掛けて灯火類の点灯を再チェック」
と,回転を上げた途端にヘッドライトがプツリと切れました.
「はて,先程試した時は何ともなかった筈だが.電球が古いからアテにはならぬな」と,HIに切替えてみるとそれもプツリ.
見ればウインカーの点滅も怪しく,ウォーニングランプも明るく点き過ぎて切れそうなイキオイ.

さぁて,これはどう見ても過電流または過電圧.して原因は…と調べに掛れば何と.

(この項続く)

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後述1. ハブベアリングにウレアグリス給脂
YAMAHA のハブベアリングはグリス注入が足らぬ弊が屡々あるが,現車も例に漏れず.給脂不足のままハブシールが経時硬化すると,ダストを噛んで急激に逝くので要注意.

後述2. F マスタシリンダ交換
腐って固着していたノーマル NISSIN のマスタシリンダを奇禍として,前ブレーキのタッチを見直そうという企て.
元来 RD50は,当時の劣悪な道路事情と粗末なタイヤでビギナーが操ることを考慮してか,大径 (刻印を見ると14mm) のマスタシリンダを使い,故意にレバーストロークを短く遠く硬く,強く握ってもロックせぬ設定で,結果的に平均的ライダーが操作した時の制動力配分は前4:後6ぐらいになっていた筈.これが「油圧ブレーキなのに機械式の CB や RG より効かない」と酷評された所以で,当時ならそれもあながち悪い設計とは言えなんだが,タイヤが格段に進歩した今となってはいささか実情に添ぐわぬ.

これを現代の常識的マスタシリンダ径である11or12. 7mm にすることで,レバーストロークを妥当なものにし,常用域で前7:後3ぐらいのバランスに是正しようというわけ.こうしておけば未熟者にも乗り易からん.

使うマスタは,所定範囲の径であれば何でも良いが,今風のリザーバ別体式などは見た目に時代考証が合わぬし,今後の部品調達性も考慮して選んだのは RZ50-2 (RA02J) 用マスタ (中古品.刻印によれば11mm) .ホースも取付部形状が違うので併せてRZ50-2用に交換. (この個体はコンチハンだから丁度いいが,ノーマルのハンドルではホース長が不足するので注意) こういう小細工が簡単に出来るのが油圧式の取柄であって,機械式ディスクの CB50 や RG50では,レバー比を変えようとすれば機械加工が必要となって少々面倒.

# 実は若き日のワタシは,HONDA CB50JX-1にも乗っておったことがありまして,同様にブレーキ性能に不満を覚えたのですが,制動力を向上させるには最初にタイヤが良くないとダメであります.ところが CB50は17インチなので,当時グリップ性能の高いタイヤ製品は存在しておりませぬ.そこで MB50のコムスター18インチホイールに換装,ヨコハマのプロファイアというハイグリップタイヤを履き,ブレーキを油圧化したことがございます.その頃からワタシは芸風が変わらないと言うか,ブレーキにはウルサかったのですな.

# 後の80年代末には,TZR250 (IKT) に,輸入を始めたばかりの brembo のラジアルマスタシリンダ (当時は “ラジアルマスタ” という言い方がまだ無く,“直押し” と呼んだ) を大金投じて付けて工夫したこともございます.当時の輸入代理店の人によればロードバイクへの装着は全国で最初だったとか何番目だったとか言っておりました.


後述3. スイングアームピヴォット給脂と増締
ここはラバーブッシュ支点の上にマフラーステー共締めなので,スティックやガタが出易い.理想を言えばダブルナットによる慎重な面圧管理が望ましい.この個体も例に漏れず頑固に固着しており,ピヴォットシャフトの抜き差しに一苦労した.

# CB や RG50なども同様だが,リアアクスル脱着時にマフラが干渉するからと言って,安易にここを緩めてマフラを躱しアクスルシャフトを抜き差ししていると,ブッシュへのプリロードが狂う上に EX 周辺排気漏れの原因ともなってパワーダウンに結びつく.リアアクスル脱着はこのナットには触らず,ダンパユニットのピヴォットを外し,スイングアームをロープやワイヤなどで吊上げて行うと良い.

後述4. エアクリーナスポンジ交換
案の定腐っていた.純正部品は廃盤につき汎用フィルタスポンジに交換.却ってこの方が低抵抗であろう.当時はあまり適切な密度の連続気泡ウレタンスポンジが無かったのである.ヘチマクリーナでも良いが,低抵抗過ぎてメインジェットのセッティングが必要となるので今回は見送り.

後述5. プラグ交換
今なら抵抗付突き出し電極の BPR7HS の方が良いのだが,ターミナルナットとプラグキャップの適合性問題がありそうなので今回は見送り.
【追記】
後日調べたところ,BPR7HS のターミナルナットは脱着可能なようなので,次回の交換はそれを推奨.ノーマルは電極突出量が不足気味でもありまたネジリーチにも余裕あり.
【/追記】

後述6. エンジンオイル補給
SUMIX 2st. FC オイル.YAMAHA 純正 FD 青油でも可.単に値段の問題.当時の分離給油の常としてオイルポンプ吐出量が多い設定のため,闇雲に現代の高性能指向オイルを使っても意味は薄かろう.

後述7. ミッションオイル交換
SUMIX4st. バイク用鉱物油10W-30 MA.純正 YAMAHA ギヤオイルに比して冷間時のタッチ向上を意図.温間時80℃近辺での動粘度は殆ど同じなので互換性は問題ない.

【関連エントリ】
YAMAHA RD50 (前編)
YAMAHA RD50 (中編その2)
YAMAHA RD50 (中編その3)
YAMAHA RD50 (後編)
YAMAHA RD50 (補遺)

posted by 「い」 at 22:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 輪,輜,車
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