そしてこのHâagen-Dazsのアイスクリームも,最初はソレでした.覚えておられますかね,えー1983年頃でしたか,青山通りとキラー通りの交差点,ベルコモンズの斜向いですな.真夏のクソ暑い午後だと云うのに,善男善女が延々黙々と汗みずくで並んでおりまして,最初に出くわした時には「い」は何の宗教かと訝ったものでございます.
今になって思えば,アイスクリーム買うのに炎天下で行列ってのは販売演出としてはストーリに無理がありまして,凡そアイスクリームなんぞは涼を求めて食うものじゃんかねぇ,誰が暑い思いして並んでまで買うもんかチト考えりゃ解るんですが,そういう冷静な意見は後知恵というもので御座居まして,まぁアノ行列のどれだけの人が本当のお客さんだったのかは歴史の暗部ですかね.いや,闇と光の境界面にこそ行列の陶酔があるのかも.

歴史の闇は兎も角としまして此のハーゲンダッツ,行列せずに喰ってみりゃ中々美味かった.そりゃ世界にはもっと美味いアイスクリームもありましょうが,「い」の住んでいるのはローマでもモスクヴァでもありませんので,美味いアイスクリーム屋が街の広場にベル鳴らして来てはくれませんから,事実上コレしか選択肢が無いんですよね.ワタシ個人はクッキー&クリームが好きですが一昨日は近所のスーパーで3割引になってたのでラッキーである.
然しワタシも迂闊なことですが,ここんちの屋号,長年の間どういう意味か解らなかった.綴りにウムラウトが付いてるから独逸か,はたまたデンマークかオランダが本拠か.しかし何れの国でもアイスクリームが名物とはツイゾ聞いた事が無いが喃.と思ってたら何のことぁない,あれは米国人のハナモゲラ語だそうで,道理で意味が解らないわけでございます.
つまりはなんですそのぅ,シアトルなんて田舎出の癖にエスプレッソの本家みたいなツラしているアレと同様,なんちゃってブランドなんですなぁ.でも店舗一覧を見てると独逸にもオランダにも支店があるみたいで,ソレって恥ずかしくないんですかねぇ.例えると,ロサンジェルスあたりの日系料理屋が有り得ねぇ日本語の屋号使ってて,それが米国でウケたもんでそのまんまの名前で赤坂辺りに進出しちゃってます.みたいな恥ずかしさ.
まぁ美味いから情状酌量の余地はあるけどー.
ところで今も青山の同じところにあるんですな,Hâagen-Dazsの店.きっと昔の狂瀾怒濤の時代なぞ無かったかのようにヒッソリ建ってるんだろなぁ.
ひゃー!