2006年07月02日

助っ人登場

久々に車の話でございます.

実は我がオンボロ車,先のヘッドガスケット吹抜け騒動以来,殆ど手を付けて居りませなんだ.言い訳は女々しい事乍ら,古傷の痛みと座骨神経痛の具合が依然芳しからず.車の整備に詳しい方なら御存知かと思いますが,シリンダヘッド脱着というのはずっと中腰で作業せねばならず,これほど脚腰に悪いものはありませぬ故,どうしても修理に取り掛かる気になれなかったのでございます.

もとより卓越した技能を誇る「い」にとって,ヘッドガスケット交換如き,作業自体はオチャノコサイサイなれど,車は直っても代わりに腰が抜けて歩けなくなっては本末転倒.まぁVespa君がよく働いてくれるので車が無くとも普段のアシには全く困りませぬが雨の日や移動距離が長いときには甚だ不便.サテ困ったどうしよう.そうこうしているうちに梅雨の湿気で車体にコケが生えて黒い車が次第に青くなって来たりしまして.いやホントに.

ところが捨てる神あれば拾う神,「クルマなら1台あげるよ」という太っ腹な人が現れたのでございます.古来「タダより廉いものはない」と申します.早速行って貰って参りました.すなわち,新たにウチのアシに加わりましたのは,

205_front.jpg
PEUGEOT 205 GTI
しかも色は緑.これならコケが生えても色が変わらないので心強い.

PEUGEOT 205 と申しますれば,20世紀最高のカーデザイナーの一人であるLeonardo Fioravanti がPininfarina に在籍していた時代のデザインによる1980〜90年代の名車中の名車,全盛期には,プジョーと言えば205.とオシャレアンテナ高い女の子からモータースポーツ好きの青年まで,幅広い多くの人々の熱い視線を浴びたものであります.が,


……反対側は手荒く凹んでたりして.
205_clashed.jpg

こら,そんな目で見るな.ワタシが凹ませたわけではない.なんぼワタシが粗忽でも,貰って来た早々にそんなドジは踏みませぬ.つまりその,これは車屋さんの友達が仕入れた205なのですが,当て逃げされてしまって一気に商品価値が無くなっちゃったのでタダで貰えた.という次第.まぁ凹んでいても機関に損傷は無い状態なれば当面は走行に支障は無し.そのうち気が向いたら直すでしょうし,気が向かねばそのままでございますね.
どうも多分きっと恐らくずっと気が向かないような予感がしてなりませぬが.

思えば仏蘭西車というのはRENAULT Lutécia RT 以来です.それにつけても初代ルーテシアのAT はちょっとアレでしたなぁ.1.8Lもある癖にシフトアップ|ダウンのタイミングが悪くギヤリングもハイギヤード過ぎの上に離れ気味なので登り坂に甚だ弱く峠道では軽自動車に抜かれる有様にて,小型車らしい機敏なところが何もないもっさりした車でありました.あれが敏捷で定評あるクリオ・ウィリアムズのベースとはニワカに信じ難いことでありますね.
ましてワタシはどうもフランス車やドイツ車との相性が宜しくない.その割には色々と乗る巡り合わせになるあたり心のままには運ばぬもので,それもまた人生の味わい.

方や此の205 GTI も初代Lutécia と同時代のATですが,流石に小型軽量の車体にトルクのある1.9LのエンジンですしATのセッティングもルーテシアより遥かにモダレートで,ドライバビリティは比較にならぬほど良ぅございます.旋回は,基本的には舵角に忠実に曲りますが,ちょっとタイヤに依存し過ぎのきらいもありまして,多分こう云うセッティングですと,タイヤがブレークした後は割と暴れる気は致しますがね.実際にそうなるかどうかは未だ試しておりませぬが.

は.205はいいが今までのUnoはどうなるか.ですか.もちろん解体屋へ直行…ではない.モスボールと申しますか,いわば塩漬状態に致しまして,ワタシの身体が幾らかでも回復しましたら直して乗ろうと思います.既にそのためにコツコツとパーツなどは買溜めしておりますれば.

【関連エントリ】
一足早く夏が来た
Vespa君覚書
年末に洗車するの忘れてたなー
posted by 「い」 at 20:13 | Comment(6) | TrackBack(0) | 輪,輜,車
[この記事へのコメント]
  1. >「い」さま・・
    過日は某所にて聊か私の知識メモリーを若干超越した、でもなんだか興味深いなあ「へ〜〜」なお話に混ぜていただき大変楽しゅうございました。

    さてもPeugeot205GTIってば私のはじめての輸入車 http://kominami.way-nifty.com/motoring/2004/05/peugeot205gti.htmlでありました。。

    UNO Turbo ieとかも欲しかったんですけどねえ。
    丸いお尻とちっこいテールランプがお気に入りでしたが・・

    しかし今見てもちっとも古く見えないのは流石「ピニンファリーナ」と思うのですねえ・・
    Posted by komi at 2006年07月02日 23:15
  2. あ,これはこれはどうも,常時24時間酔いどれのタワゴトで御耳を汚してしまって恐縮ですw.

    さてもあれですね,あの1980年代のスモールカーってのは,

    Uno Turbo-最もトレンディでファッショナブル,プラス伝統を踏まえた上の前衛.服に例えると,エンポリオ・アルマーニ.料理に例えるとヌオーヴァ・クッチーナ系のトラットリア.素で日常が芸術になってる人には全く違和感無しだが保守系には評判悪い.

    PEUGEOT 205-老舗洋食屋が実直かつ旧弊を廃して現代的に作った御手頃ランチコース.服に例えるとMARCEL LASSANCE,リーズナブルな予算で美味しくてアッサリなヌーベル・キュイジーヌ.結局はその後の20年はこの路線が王道になった.

    GOLF 3-本当に美味しいものが自分の舌で確固として解ってない田舎者が素材と調理は愚直に実直に作った良心作.こういう良心ってのが一番タチが悪くてケチのつけ様が無い.
    つまりは悪意は無いが創意も乏しく,トラッドとしてのオーラも無い.しかしそういうのに共感を覚える人は多数派なんだろう.という,服に例えるとHugo Boss .

    って感じだった気がしますねー.
    Posted by 「い」 at 2006年07月03日 01:28
  3. >「い」様
    先日は楽しいお話しをありがとうございました。で...。

    近所に住んでる見たとこ普通の田舎爺なんだけど、「あのじーさん、あれで昔は横浜の方で結構遊んでたらしいよ。」なんて、みんなに悪意無く言われてる。ほんで、そのつもりで見てみると身なり風体身体のこなしに町内会寄り合いでの身の処し方等々、別に特別なわけじゃ無いけど「なんとなく」あか抜けてて...PEUGEOTのクルマ擬人化したらこーなるかなってのが従前からの勝手な思いこみです(^^ゞ。

    なんだかんだ言いながら乗り換える気がないワタシがいうのもアレですが、Golf 3の評は全くおっしゃるとおりですね(^^;。
    いえ、ワタシもなんとなく「センスはアレだけど異常にに筆力がある作家(松本清張!?タイプ)がものしたベストセラー」みてーなクルマだとは思ってましたです、はい。

    してみるとPEUGEOT 205あたりは「谷崎潤一郎の健全系」で、Unoは泉鏡花・渋沢龍彦あたりになるですかね???。

    長Res多謝m(__)m。
    Posted by 1sugi at 2006年07月04日 03:04
  4. コメントありがとうございます.そうですなぁ.クルマを文学に見立てたら.ってのは面白いかも知れませぬ.では其れに倣ってワタシもやってみますw

    ・PEUGEOT-二葉亭
    205以前は物凄くマジメだけどヘタだった.文体も借り物の翻訳文体(205以前は殆どPininfarinaに丸投げだったんで).205でイキナリ言文一致体を打ち出して大化け.

    ・Alfa Romeo-紅葉
    どんな貧乏を描いても華麗にして色鮮やか.アルファの窓から見える世界は全てがオペラの舞台.

    ・Ferrari-太宰
    読者全員に「コイツが解るのは俺だけだ」と自己陶酔させるところが至芸.Ferrari乗ってる人もみんなそうだよね.

    ・FIAT-池波 正太郎
    粋で人情味あって庶民派で食いしん坊で映画好き.一見するとドメスティックで保守的なんだけど技術は意外に先進的だったりもする.

    ・CITROE¨N(CXまで)-鏡花
    もう乗り込んだ瞬間に空気が違うw 走る幻想世界.この世に在ってはイケナイもの.幻想と現実の間の罅割れから怪しい液体がトローリと漏れて来る.

    ・VW-漱石
    ぼくは嫌いだ. けど世界の誰も彼を絶対に無視出来ない.段々暗くなるのはなんとかならんものか.

    ・Mercedes-Benz(W124まで)-鴎外
    独善超然孤高,そして超絶の高品質.他の誰も真似出来っこない唯我独尊世界.
    Posted by 「い」 at 2006年07月04日 09:39
  5. >「い」さま

    ・・Peugeot205に関する考察「老舗洋食屋のお手軽ランチコース」至極納得であります。

    改めて思い返すに、当時私が205に「落ちた」のはここら辺にしっかり「引っかかってた」のだなぁ・と「腑に落ちる」ことしきりであります。
    Posted by komi at 2006年07月07日 23:45
  6. リアルで205みたいなフランス料理屋さんがあればいいですねぇ.

    さりげない小さくて小粋な店構えで,親父さんは丁稚奉公からの叩き上げで伝統的なフランス料理が得意で,倅は留学帰りで今風のヌーベル・キュイジーヌをやりたくってしょうがなくて,いつも厨房では親子のせめぎあいがあって,そんでもって出てくる料理はリーズナブルで美味い.特にランチが絶品だ.みたいなの.そういう店があったら絶対に通っちゃいますねワタシはw
    Posted by 「い」 at 2006年07月08日 19:35
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