2006年11月19日

ガルム

古代ローマオリジナルのガルムが発見された.というニュースがありました.とイキナリ書き出しても唐突ですな.つまりまぁガルムとはどういうものか.というのはこのリンク先に簡単に触れてございますのでご覧頂くとしまして,手短かに言えば古代ローマの魚醤でございますね.

ですが此のニュース記者は少し勘違いをしておるようでして,古代ローマのガルムのレシピ自体は筆写文書ながら現存しておるのです.今日では復古趣味と申しますか自然食ブームに乗ってか,復刻されたガルムも既に市販されております.
←左掲にあるようにイタリア食材の輸入大手である「モンテ物産」などは国産化も成功しておりますし,また先鋭的なイタリア料理人の方々は既に試用の域を超えて実作に取入れておる方も増えておるというのが目下の現状.

然るに今日使われておるガルムは,文書による「こういうものであったのではないか」という復元か,乃至はローマ帝国衰亡の後,イタリアの田舎で古式相伝にて細々と作り続けられていたモノが少量出回るだけであったわけで,今回の実物発見で,よりローマ時代のオリジナルに肉薄する味の研究発展が期待できましょう.

とは云え何方でも気付く事でしょうが,このガルムなるもの,製法はタイのナンプラーやヴェトナムのヌクマムと殆ど同じですので,もし味に違いがあるとすれば原料の魚の味か,或は熟成方法の違いに起因する些細な程度と想像されます.ちなみに日本にも「しょっつる」や「いしる」と云った魚醤がありますが,これも味の基本傾向はナンプラーやヌクマムと凡そ同じであります.どちらかと言うと日本の魚醤は魚臭さが淡いような気は致しますね.

もちろん「い」も魚醤を料理に取入れることは随分以前から積極的に色々と試行錯誤を重ねて参りました.今は貧乏がゆえに復刻版ガルムは高価過ぎて繁用できませぬので,専ら安いヌクマムを買って来て使うたり,貰った「いしる」を試したりしております.安いヌクマムは時として在住ヴェトナム人と思しき人が箱買いしてしまうので売り切れになっておる憾みはありますが,魚料理は勿論の事,ピッツァ,パスタに留まらず,肉料理,特に豚肉と相性が良いように思いますな.

例えばワタシは具体的にはこのようにして魚醤のソースを作っております.
  1. オリーヴオイルに鷹の爪とスライスしたニンニクを入れて弱火で熱する.
  2. ニンニクが色づいたら取出し,一旦火を止め,オイルにヌクマムとフェンネルシード -フェンネルシードが無ければ山椒の粉でも粒胡椒でも適当に試して頂くとして- を入れて馴染ませながら縁が軽く焦げ出す程度,油が跳ねぬ程度に中火で再加熱する

これだけでございます.塩が強いので湯でうめるなりバタを落としてコクを付けるなりお好みで.これは特にアンチョビのピッツァやサンドイッチに好適ですし,熱いままトマトサラダなぞに掛け回してドレッシング代わりにしても宜しく,またソテーした豚ロースにレモン添え,白身魚のローストなどに掛けても美味く頂けましょう.

魚醤をお嫌いになられる方は,おしなべてあの臭いが厭なのだと推察しますが,あれは一度焦がし気味に煮詰めるようにして加熱すると,ガラリと香ばしい香りになりますのでお試し頂きたい.まぁ加熱中は魚臭いことには変わりありませんから換気扇で何とか凌いで頂くとしまして.ですね.

↑上掲は嵐山氏が世界各地を旅しながら醤油のルーツを探るというグラビア紀行書.魚醤にも触れられていて中々娯しく読める本でした.
posted by 「い」 at 21:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呑み喰い
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