2007年04月03日

もやし -2

ぁー,そうですなぁ,モヤシの話でしたなーハィハィ…

わらびおひたし…と何となく気もそぞろなのは,目下「い」は朝飯のオカズにワラビを食っておる最中だからであります.
ここ伊豆地方は陽当り宜しく弱酸性で水捌けの良い土質の里山が多く,今の季節は野山の随所に豊富にワラビが出まして,ちなみにこれは去年のエントリ,兎美味し彼の山でとりあげた近所の公園にちょいと出掛け,土手に芽吹いたのを15分ほどで摘んで来たもの.勿論タダであります.

とは云え当然ながら乱採は許されませぬ.節度を持って個人賞味用に採る程度であれば犯罪にはなりませぬが,最近は加減を知らぬ唐変木が土手の上の方まで草を踏み躙り土を崩してまで採って行きますでのぅ.ああ云う輩が増えるとそのうちに山菜摘み禁止となるやも知れぬ.危うい哉…

憂慮はさておき今年は元来の気候温暖に加えて記録的暖冬にて,わらびの生育も早く,これが初物ではありませんで既に3度か4度目なのですが,何度食っても美味いものは滅法美味い.味噌汁も良いし山菜蕎麦にしても宜しい.ましてカツブシをどさーと掛けてコンブツユを振って食えばコタエラレヌ.

てなわけでワラビを食い終えてツラツラ思索を巡らすに,これもシダ類ではあるがスプラウトの類でありますね.シダ類を食う民族ってのは世界にどの程度おるのでしょうな.試みに検索して突き当たったこちらのページによると,どうやら欧州では食わぬようですが.
しかし欧州もワラビの分布域に入っておるのに食わぬというのも勿体無い気が致しますな.それとも土質の違いで特にアクが強いとか,ヨーロッパ種のワラビは苦いとか,食いづらい事情でもあるのだろうか.どなたか皆様の中にアグリツーリズモなんぞで欧州のわらび摘みを楽しんだ経験のある方は居られませぬか.もし居られたら是非とも感想を賜りたい.

さて先ほどワタシは「カツブシをどさーと掛けてコンブツユを振って食えば」と書きましたが,これは伏線であります.のっけからワラビに脱線しましたが,前回の宿題「イタリア人がモヤシを使った料理を考えたらどうなのか」を忘れたわけではない.ワタシはずーっと以前のエントリ「おみおつけ」でこの件に関連する事柄を些か述べておりますが,当然,皆様は御記憶に無いでしょうから抜粋再掲しますと,
「アスパラギン酸を多く含む食材を捜してみますと,ミネストローネに使えそうなのは,アスパラガス,タケノコ,発芽大豆あたりでしょうか.アスパラと云いタケノコと云い発芽大豆と云い,どうもアスパラギン酸と言うのは植物の若芽に多いと見えます」
と書いておる,ワラビも植物の若芽なれば例外ではない.すなわち,ワラビのアスパラギン酸にカツブシのイノシン酸,加えてコンブツユのグルタミン酸の相乗効果がワラビをしてあれほど美味にしておると思われるわけですな.
同様にモヤシもまた植物の若芽なれば,その旨味はアスパラギン酸に起因するものであります.これにグルタミン酸やイノシン酸を多く含む食材をプラスする事で,旨味の相乗効果を最大限に発揮せしめることが期待出来ましょう.

しからばイタリア的にモヤシを料理するにあたり,特にグルタミン酸の多いイタリア的の食材を考えてみますと,まず野菜の筆頭はトマトが考えられます.然るに今は春ですのでグルタミン酸タップリの完熟トマトは未だ早い.高価なハウストマトであっても冬春期の日照ばかりはどうにもなりませぬので味は夏トマトには到底及ばぬ故,アシスト役は勤まるかも知れぬがモヤシとペアを組むには力不足であります.

では他に何があるか.
再び捜しますと灯台下暗し,パルミジャーノ・レジァーノがございました.これは非常に多くのグルタミン酸を含んでおる.コンブよりやや少ない程度と申しますと相当に濃いぃい旨味ですな.
…かくてエレメントは揃いました.モヤシ,おろしパルミジャーノ,トマト,そして脇役に赤ピーマンとオリーヴの塩漬を抜擢しまして,あとニンニクとオリーヴオイル,バジリコと黒胡椒はイタリア料理には当然のレギュラーでございますね.
…と書くと尤もらしいがモヤシ以外は全て有り合せだったりして.

叩き台にするイタリア料理は,“フンギ・ミスティ・アモリカーティ” つまりキノコの柔らかオーブン焼であります.この調理構造を援用し,また,ISGA のレシピにある “Mock Spaghetti Casserole” も参考にしまして,モヤシのシャキシャキオーヴン焼.というのをやってみます.
ここまでの考察は迂遠でしたが,作るのは調理10分,オーヴン20分,コストは60〜80円でございます.では時刻も丁度昼飯時となりましたのでイザ着手.
  1. モヤシはサッと湯通しして土臭さを飛ばし,ザルに上げて粗熱を取り,軽くオリーヴ油を振って合えておく
  2. 別器にパルミジャーノ,ニンニクと赤ピーマン微塵切り,刻みオリーヴ,パン粉,塩・胡椒,乾燥バジリコ,オリーヴ油少々を混ぜて混然とする.
  3. 耐熱皿にモヤシを盛り,2. を振り掛け,トマトとバターを載せ,再びオリーヴオイルをザッと掛ける.トマトはグアニル酸を含むドライトマトのオイル漬が欲しいところですが,高価いので缶詰のトマトを用いました.
  4. オイルがグツグツ言って表面がコンガリするまでオーヴンで焼く.以上.

もやしオーブン
出来上がり.名前は仮に “ジェルモーリ・ディ・ソイアヴェルデ,アル・フォルノ” とでも称しておきますか.ではサーモンの玉子かけスパゲティと一緒に試食…

…よしO.K. ちゃんとイタリアな味になりました.チコリやフィノッキのオイルグラタンと似た雰囲気ですがもっと癖が無い,何にでも合う味に出来ております.

現実にはイタリアでモヤシというと,水煮缶詰の類はあれども,あまり馴染みのある野菜ではないらしく,こちらのイタリア語版 Yahoo! Answers などを見ましたら,緑豆もやしの料理が解らぬとの質問がありましたが,回答者も妙な使い方を紹介しておるようでありますな.モヤシのサラダねぇ.モヤシは雑菌が増え易いのだが生で使って大丈夫か.質問者が真に受けて作って腹を壊さなかったかのぅ.遠く隔たった異国の他人事ながら心配である.
これならワタシの方がイタリアらしい出来だと己惚れておりますが如何なものでしょうか.

【他,参考にしたページ】
前者は単なるアジアンエスニック風だが,後者5番目の「モヤシスパゲティ」は興味深い.一発で表示されぬのでリロードしてご覧下されたし.

Scaloppine di vitello alla soia
LE RICETTE DELLA CUCINA NATURALE I GERMOGLI

【関連エントリ】
もやし -1
おみおつけ
posted by 「い」 at 14:49 | Comment(1) | TrackBack(0) | 呑み喰い
[この記事へのコメント]
  1. 文中の【他,参考にしたページ】で,“後者5番目の「モヤシスパゲティ」”のURLが変わっておるようなので一応下に示します.また変わるかも知れませぬがなぁ.

    http://www.lerboristeria.com/ricette_germogli.php
    Posted by 「い」 at 2009年07月29日 23:54
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